ミスなく関連部署に引く継ぐための方策

営業が受注後に「後工程をミスなく他部署に引き継ぐ」ポイントとは?

もはや営業の仕事が営業パーソンだけで完結するケースは、珍しいものになってしまった。
ほとんどの企業の業務の流れというのは、営業が受注してきた案件を、制作、技術、設計、開発、製造部門といった後工程を担当する部門が引き継いで納品するというのが一般的だ。
当然、営業―制作、営業―技術、営業―設計といった部門間で「引き継ぎ」が行われる。
今回は、受注後にミスなく後工程を担う部門や人に引き継ぐポイントを解説する。

営業が受注後に「後工程をミスなく他部署に引き継ぐ」ポイントとは?

「残念な営業」は引き継ぎで墓穴を掘る

「売れる営業」と「残念な営業」との差が、この「引き継ぎ」に表れるのは、それが顧客とのトラブルやクレームの発生原因となることが多いからである。
後工程でトラブルやクレームが起こった場合でも、その交渉の窓口は営業パーソンになるケースがほとんどなので、当然、それらの収束のために時間を割かれ、新たな営業活動の時間を奪われてしまうため、業績が落ちてしまう。
実は、もっと大きい影響は関連部門との関係にあって、トラブルやクレームの多い営業パーソンは関連部門から忌避されるので、同行営業や納期調整、仕様調整などの場面で協力を得ることができず、顧客に対し良い提案ができなくなってしまうのだ。
これが業績低迷の大きな足かせになることは、想像に難くないだろう。

では、顧客にも後工程を担う部門にも迷惑をかけないよう、案件を後工程部門に円滑に引き継ぐためにはどうすればいいのだろうか。

業務や案件、プロジェクト自体はシステムを使って引き継ぎを行うことが多いとは思うが、それを補完する意味で;

  • 「受注の背景」、事情、温度差、リスクも一緒に引き継ぐ
  • マイナス情報こそ、必ず引き継ぐ

ことを意識して欲しい。

「リスクを引き継ぎ」する

更にこうした意識を実務に落とす際のポイントとして、その案件がどの程度の「無理」をして受注した案件なのかを確実に引き継ぐことをお薦めしたい。
なぜなら、「無理」のある案件は必ずトラブルになるからだ。
「無理」といってしまえば、いろいろ思いついてしまうかもしれないが、まずは次の3点で意識しておくだけでいい。

どの程度の「無理」をして受注した案件なのかを引き継ぐ【3つの「無理」】

1)納期(スケジュール)

納期遅れ、スケジュール遅れはトラブルやクレームの定番になるが、そもそも営業の段階で、競合に勝つためや顧客の要望に沿うために「無理」なスケジュールで受注してしまうことも珍しくはない。
そうした事情は営業段階から納品を担う部門へも情報共有しておくのはもちろんだが、営業の事情で無理くり受注してしまった場合は、必ずその「無理さ加減」を引き継いでおかないと、顧客と後工程を担う部門双方に大きな迷惑をかけることになる。

2)要員(体制)

いよいよ日本企業においては就職氷河期の後遺症と少子化の影響が表れ始め、ほとんど全業種において要員不足が深刻化している。
要員不足、リソース不足のために「入札辞退」「店舗の撤退」といった深刻な事態まで起こっているのだから、現場は限られた要員で、なんとかだましだましプロジェクトを回している状態のため、ちょっとした「無理」で現場がパンクしてしまうようなことが起こる。
要員計画においても「どの程度無理をしているか」ということは必ず共有しておきたい。

3)コスト

激化する価格競争の中でギリギリの金額で受注しているため、一度、トラブルやクレームが起こると利益が一瞬にしてぶっ飛んでしまい、今度は、いかに赤字を少額に食い止めるかという議論になってしまう。
「有事に備え、リスク分をコストに積み増しておこう」というバッファが今やコスト競争の中で削がれてしまっているので、コスト面でも「どの程度無理をしているか」ということは共有しておかなければならない。

引き継ぎで手を抜いたり、後工程部門任せにしてしまうと、3倍のしっぺ返しがあると心得て、どんなに忙しくても引き継ぎにひと手間を惜しまないで欲しい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

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1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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