顧客との距離を縮める場の作り方

営業がクライアントとのコミュニケーションで場の空気を操るには?

「場の空気」という言葉がある。営業パーソンの誰もが「会話が弾みやすい雰囲気」「話しにくい雰囲気」の双方を経験しているだろう。
もちろん、「誰と」「何を」「何のために」話すかによって、「場の空気」は変わってくるものだが、実はコミュニケーションの技術によって「場の空気」は自分の都合のいいようにコントロールできる。
今回はその5つの方法を紹介したい。

営業がクライアントとのコミュニケーションで場の空気を操るには?

1)間口の広い一般的な話から仕掛ける

相手の興味・関心のありそうなテーマを選ぶのはもちろんだが、間口の広い一般的な話から仕掛けたい。
具体的なコミュニケーションの技術としては、相手がフリーアンサーで答えることのできる オープンクエスチョンが望ましい。

例えば;
「最近、部下と上司の定期的なコミュニケーションを制度化した1on1ミーティングや社員の自発的な貢献意欲を指すエンゲージメントといった概念が注目され始めましたが、既に5~6年も前からこうした概念をマネジメントに採用していた御社では、実際、どのような変化がありましたか?」
とか
「昨今の働き方改革ですが、御社は随分と成功されたと聞くのですが、実際に体験されてどうでしたか?」
といった聞き方になる。
多少漠然とした質問のほうが、その後に話が膨らみやすくなるが、抽象的な問いかけにならないようにするには、質問の中に具体的なキーワードを入れるのがコツだ。

上記の前者のキーワードは「1on1ミーティング」や「エンゲージメント」になるが、同じ概念であっても会社によって呼び名を変えている場合も少なくないので、専門用語や新しい概念を使う場合は、初めて聞く人でも理解できる短い説明を加えておくことを忘れてはならない。

顧客、クライアントとの距離を縮めるコミュニケーション ~ポジティブな顧客接点を作る5つの方法~

2)他社事例を介在させる

他社事例というのはイメージが湧きやすく、それが呼び水となって顕在的な課題や潜在的な期待が表出しやすくなるので、是非とも多用して欲しい。
「社名はお出しできないのですが、ご同業でも間接コストを削減するために、業務フローを見直して、親会社のシステムとは別にこのパッケージソフトを導入された例も数社ございます。」
といった感じだが、この話の後に相手は必ず、その成果や苦労した点、更にはリスクなども質問してくるので、「場の空気」が活気を帯びるだけでなく、相手の現状や課題など提案に必要な情報が入手しやすくなる。

3)ホットなキーワードを投げる

業界や企業のそれぞれの部門によって、タイミング毎に「旬のネタ」というものがある。
全企業、官公庁、自治体に共有の「旬のネタ」「ホットなキーワード」をあげるなら、2019年の現時点であれば「働き方改革」になるだろう。
これは相手との共通言語になるので、最も対話が成立しやすくなるため「場の雰囲気」も熱気を帯びやすい。
また、無口な担当者やコミュニケーション能力が高くない相手であっても「旬のネタ」であれば、対応しやすいものなので、「場の雰囲気」が白けてしまう可能性は最小だ。

4)同業界、同業種の話題を振る

同業界、同業種の話題も上記のホットなキーワード同様、相手との共通言語になるので、お互いの距離を縮めるには絶好の話題だ。「ここだけの話」「私たちにしか分からない~」という暗黙の了解、限定感も緊密さを醸成する。
アカウント営業の場合は、コンプライアンスに反しない限り「XXXの再開発の案件、F社さんが落札したようですね。サブコンは未だ決まってないみたいですが~」といった情報交換的に仕掛けるケースが多い。
「業界ネタ」は話題にも事欠かないと思うので、たくさん仕入れて、アップデートをルーティンワークにしたい。

5)自社の実績を明示する

自社の実績は相手に安心感を与え、本音ベースの情報が共有できるようになるので、特に新規顧客の場合は冒頭から実績を強調したい。
「全体の販売シェアでは現在4位ですが、大型機の販売シェアは50%を超えていますので、御社には自信を持って提案させて頂きます。」とか「社名は出せないのですが、某大手ネット通販の倉庫でも使用されています。」といった事実は自信を持って言い切って欲しい。そうすることによって「場の空気」が前向きになるので、あなたにとってもいい商談になるはずだ。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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