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眠りが深い、浅いってどういうこと?
睡眠の質を高める眠り方とは?

眠りが深い、浅いってどういうこと? 睡眠の質を高める眠り方とは?

たっぷり眠ったはずなのに、なぜか疲労感が取れない。そんな人は「睡眠の質」に問題がある可能性が大きい。とはいえ、そもそも「眠りの質」とはどのようなものなのか、質を表す際の「眠りが深い・浅い」という表現は科学的にはどのような状態を指すのか、説明しようとしても意外に難しいもの。まずは眠りの質を決めるメカニズムを知り、質を高める方法を考えてみよう。

りこ

睡眠の質は
体内時間の管理から
睡眠サイクルを損ねるNG行動はこれだ!

その1
毎日眠る時間、起きる時間を変える
その2
二度寝を繰り返し、暗い部屋で過ごす
その3
夜の睡眠を補うために夕方に2時間昼寝する

眠りの質を決める2種類の睡眠とサイクル

「睡眠の質」は大きく2つの方法で計られる。まず1つは「よく眠れたかどうか」という主観的な測定法であり、8項目から成る「アテネ不眠尺度(AIS)」が主に使われている。過去1ヵ月間に週3回以上経験したもので判断する。

そしてもう1つが客観的、定量的な方法として、脳波(睡眠脳波)を測定し、その波形から脳の状態をうかがうというものだ。

脳波とは、脳が発生する微弱な電気活動を増幅して記録したもので、覚醒・睡眠問わず常に幾種類かが混在している。睡眠時には状態に応じてメインとなる脳波帯域が変化し、その変化を線形で表すと約90分でのサイクル(睡眠周期)が見られる。この時、覚醒に近い山部分を「レム睡眠」、それ以外の部分を「ノンレム睡眠」と呼んでいる。

なお「レム」とは、まぶたの下で眼球が動いている「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)」の略称(REM)で、「レム睡眠」にある時、体は休息しているが脳は覚醒に近い状態にある。大脳皮質と大脳辺縁系は覚醒時より活発に活動し、情報整理・統合を行うことで記憶の定着が起きていると考えられている。
一方、「ノンレム睡眠」では大脳皮質の活動が低下し、脳全体の血流も低下している。脳を休ませ、脳の神経細胞(ニューロン)間の繋がりの再構築などが行われるというわけだ。そして、深いノンレム睡眠時には脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、体の組織の新陳代謝が活発になるという。免疫系の働きも活発化し、抵抗力が高まるのもノンレム睡眠時だ。

つまり、ノンレム睡眠もレム睡眠も大切な役割を果たしており、質の良い睡眠のためには両方とも十分に時間が取れていることが大切で、そのためには約90分の睡眠サイクルが一晩に5〜6回繰り返されることが望ましい。一般に睡眠が進むほどノンレム睡眠が浅くなり、レム睡眠の割合が増えて脳を覚醒させる準備に入る。このタイミングで起きるようにすれば、すっきりと快適に目覚めることができるというわけだ。

「アテネ不眠尺度(AIS)」の8項目

(Soldatos et al.: Journal of Psychosomatic Research 48:555-560, 2000)

A.寝床についてから寝るまでの寝つきは時間がかかったか?
B.夜間に睡眠途中で目が覚めたか?
C.起きたい時刻より早く目覚め、それ以上眠れなかったことは?
D.昼寝も合わせて総睡眠時間は足りているか?
E.全体的な睡眠の質はどうか?
F.日中は気分よく過ごせたか?
G.日中の身体と心の調子は?
H.日中の眠気はあるか?

WHOを中心とした「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」によって作成された世界基準の睡眠評価。各項目にそれぞれ4段階(0~3点換算)で回答し、最大24点で数値化して判断する。気になる人は医師に相談してみよう。

出典:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022399900000957

眠りの質を高める方法、補完する方法

それでは睡眠の質を上げるための方法について考えてみよう。まず1つ目は、レム睡眠とノンレム睡眠の深さや時間を確保するために睡眠サイクルを整えることだろう。

そのためには、朝起きた時、活動している時、寝る前など、1日を通じた体内時間を整えることが大切だ。まずは決まった時間に起きることが大切。更に睡眠ホルモンであるメラトニンが16時間後にたっぷりと生成されるよう、逆算してしっかり光を浴びよう。昼は頭も体もともに活動的に過ごし、眠る数時間前からカフェインやブルーライトなど覚醒を促すものを避けることが望ましい。

また、睡眠サイクルを中断しないよう環境を整えることも大切だ。トイレに起きないよう寝る前に利尿作用のあるお茶やお酒を避ける、子どもやペットなどと同じベッドに寝ない、街灯などを避けるカーテンを設置するなど、影響を受けそうなものは取り除こう。また、肥満が主な原因の「睡眠時無呼吸症候群」なども睡眠サイクルの妨げになるので、治療を受けて治すことが大切だ。

しかし、どうしても眠りの質が悪く、疲れが取れないという時、暫定的ながら有効なのが「昼寝」や「瞑想」だ。目を閉じて視覚情報を遮断することで効率的に脳の疲れをとり、気分をシャキッとさせてくれる。
ただし、昼寝をするなら12〜16時くらいまで、時間にして20〜30分程度に止めよう。それ以上になると本格的な睡眠に入ってしまい、本来の体内サイクルに影響を及ぼす可能性があるためだ。

そして昼寝や瞑想は、成長ホルモンを出し脳や体のメンテナンスに不可欠な「ノンレム睡眠」の代替にはならない。あくまで補助的なものと考え、夜の睡眠はしっかりととるようにしよう。

次回は「 日本は世界的に見て“睡眠不足の国”?」をテーマに、世界各国と比べた日本の睡眠事情や、文化や民族ごとの意識の差などについて紹介する。

文:伊藤真美  イラスト:なとみみわ

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こちらの記事は、医師の監修のもと制作しております。