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寝つきがいいのは、実は気絶?
「寝つきが良すぎる」ことに潜む不眠

評価
寝つきがいいのは、実は気絶?「寝つきが良すぎる」ことに潜む不眠

「いい睡眠」実感を得るには「寝つきの良さ」は必須条件だろう。「ドラえもん」ののび太くんのように、ベッドに入るなり2秒で深い眠りにつけたらどんなに幸せか。
しかし、すぐに眠れてしまう人が必ずしもいい睡眠が取れているわけではないとしたらどうだろう。また睡眠薬や寝酒の常用に危険があるとしたら?「寝つきの良さ」に潜む様々な誤解や危険性について紹介する。

りこ

その「すぐにぐっすり眠れる」は
危ないかも?
「寝つきが良い」にまつわる
様々な誤解

その1
ギリギリまで仕事をしても、すぐに眠れるのは良い
その2
睡眠薬やお酒は寝つきがよく、睡眠の質も上がる
その3
GABA(*)はできるだけ多量に分泌された方が睡眠によい


*脳の興奮を抑えて、安心感をもたらす神経伝達物質

すぐに眠れる人は慢性的な睡眠不足かも?

すぐに眠れる人は幸せだ。ベッドに入ってからの時間をフルに睡眠に費やすことができる。寝つきの悪い人にとってはうらやましい限りだろう。

しかし、ギリギリまで仕事をしたり、ゲームをしたり、活動していたにも関わらず、ベッドに入った途端に気絶をしたように眠れてしまう。それを「寝つきが良い」と思っている人は注意が必要だ。

どんなに寝つきが良くても、通常は少なくとも意識がもうろうとするまでに10分程度はかかり、深い睡眠に入るには30分以上かかる。いわゆる「まどろむ」時間があるのが普通なのである。

つまり、スイッチが切れたように眠ってしまうのは、眠くなっているにも関わらず、脳に刺激を与えて無理やり起こしているような状態を続けているというわけだ。だからこそ、刺激がなくなった途端にスイッチが切れたように眠りにつくことができる。「いい睡眠」が取れているどころか、むしろ絶対的に睡眠が足りていない可能性がある。

そんな人の多くは、自分自身は自覚がなくても、会議で眠気を感じたり、電車に乗るとすぐに眠れたりなど、昼間に眠気を引きずっていることが多い。以前よりパフォーマンスや集中力が低下した、常に疲労感やだるさが抜けないなどと感じているのなら、年齢や運動不足などのせいにする前に、十分に眠れているかどうか疑ってみた方がよいだろう。

まどろむ時間にも大切な役割がある

睡眠には脳が活動して体が休むレム睡眠と、脳も休むノンレム睡眠とがある。レム睡眠の時には記憶の再構成が行われ、ノンレム睡眠の時には成長ホルモンが分泌されるなど、それぞれ重要な役割を持っている。(詳細は「ゴールデンタイムは間違い?成長ホルモンと睡眠の関係」で紹介しているので参照してほしい)

つまり「いい睡眠」のためには、レム睡眠とノンレム睡眠がスムーズなサイクルで現れ、バランスよく取れていることが望ましい。通常であれば、入眠して約45〜60分以内にノンレム睡眠まで到達し、約1〜2時間ほどで徐々に浅くなってレム睡眠になる。しかし、うつ病やナルコレプシー(眠り病)、薬物依存など、なんらかの睡眠障害が疑われる場合、レム睡眠が30分以内に現れる場合が多い。

もちろんこれらは極端な例だが、普通の人でもレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れた状態を感じられる現象がある。
意識があるにも関わらず体が動かなかったり、轟音や話し声がしたり、怪奇現象として語られがちな「金縛り」だ。疲労やストレスなどで眠りに落ちる際にバランスを崩して早々にレム睡眠に入ってしまうと、意識は残っているのに体が深い眠りに入ってしまう。その時に金縛りが起きやすいというわけだ。

つまり、いい睡眠のためには、適度な角度で“入眠のスロープ”を下ることが望ましいと考えられる。だらだらと眠れないだけでなく、急直下で爆睡というのもNGなのである。

りこイラスト

「寝酒や睡眠薬でぐっすり」の落とし穴

人工的に寝つきを良くするための方法として、睡眠薬やお酒という手段がある。しかし、アルコールは「できの悪い睡眠薬」とも呼ばれるように、“寝落ち”した後の睡眠は決して良質とは言えないのは、誰もが経験済みだろう。

その鍵を握るのが、脳の興奮を抑えて、安心感をもたらす神経伝達物質「GABA」だ。睡眠薬やお酒は、このGABA受容体に働きかけると考えられている。その結果、眠気を呼ぶという仕組みだ。

一般にGABAは心の安定のために望ましいものとして認知されているが、当然ながら「適度であること」が望ましい。多すぎたり、強く作用しすぎたりすれば、問題が生じる可能性がある。例えば、ナルコレプシーでは脳内のGABAが異常に高まっていることが報告されている。

睡眠薬もアルコールも、何らかのストレス状態から逃避して眠るために、管理できる状態で一時的に利用するのなら問題はないだろう。しかし、「ないと眠れない」という依存のリスク、そして睡眠の質を低下させてしまうことなどを鑑みれば、可能なら避けたほうが望ましい。

「スムーズに眠れるようになる」ためには、起床時に光を浴びることに始まり、適度な運動や入浴、規則正しい生活など、まっとうなアプローチが大前提だ。もちろん、すぐ眠れるからといって、眠気と戦いながらギリギリまで起きている習慣からも脱却しよう。

次回は「コーヒーは不眠の原因に?」をテーマに、「いい睡眠」から見たカフェインとの付き合い方などについて紹介する。

文:伊藤真美  イラスト:なとみみわ

この記事の情報は公開時点のものです。
こちらの記事は、医師の監修のもと制作しております。