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睡眠不足は平均1時間!人類の歴史から紐解く現代の睡眠傾向とは

あなたの睡眠はどの時代のタイプ?

時間に追いまくられる現代人には、電気のない時代の「日の出とともに起き、日が沈んだら眠る」という生活は憧れかもしれない。とはいえ、長い人間の歴史の中で、原始時代と中世、近代と生活様式は様々、制約もそれぞれ異なる。人間のライフスタイル、中でも睡眠は本来どのようであるべきなのか。ご先祖様の睡眠傾向から探ってみよう。

りこ

長い人間の歴史から紐解く、
現代人の睡眠傾向とは…

その1
社会的制約の少ない赤ちゃんと高齢者は分割睡眠が多い。
その2
社会的制約の多い環境では自覚していない睡眠不足が平均約1時間。

「原始時代は、現代よりも長く寝ていた」というのは嘘?

原始時代といえば、常にのんびりしていたように思う人は多いかもしれない。実際、明かりといえば焚き火ができるかどうか、夜は眠るしかなかったと思いがちだ。しかし、食べ物は常に不足気味、人間を狙う外敵も多く、実際にはおちおち熟睡などしていられなかったと考えるのが自然だろう。

以前「睡眠不足は太る?睡眠改善で食欲&代謝コントロールしよう」で、「睡眠不足になると空腹を感じやすくなる」という話を紹介したが、それを当時の名残と分析する研究者もいる。つまり裏を返せば、空腹な時こそ「眠らずに狩りをする」必要性があるということだ。確かに夜が暗いといっても、月が出ていれば人間でも夜目が効く。食べ物を探して活動していたとしても不思議ではない。

その後になって、ろうそくやランプなどが生活の中に入ってきたが、庶民にとっては高価なもの。やはり、睡眠時間は日の出と日の入りに合わせて必然的に決まっていたと思われる。更に1度にまとまった睡眠をとるというのではなく、日が暮れたら眠り、一旦起きてしばらく過ごし、また寝るというパターンを繰り返していたと言われる。

こうした「分割睡眠」は、電灯の普及で現代社会では消えてしまったと考えられている。しかし、実際には90分前後の睡眠サイクルの終わりに目が覚めていて、本人は気づいていないだけということも多い。更に社会的制約の少ない赤ちゃんと高齢者については分割睡眠が多いことも鑑みると、分割睡眠が人間にとって自然な形ではないかとする学説もある。そう考えると、眠っている最中に目が覚めたからといって、さほど不安になる必要はなさそうである。

ただし、睡眠の前半後半で役割が異なるので、たとえば朝と昼と夜に1/3ずつと分断して睡眠をとっても、質的に十分とはいえない。途中で起きたとしても、睡眠はできるだけまとめて取ることが大切だ。

電気と社会的要請で睡眠がコントロールされる現代

現代人の睡眠が「途中覚醒なしのまとめて一括」になった背景には、同じ時間に集中してみんなで勉強や仕事をするようになったことが大きい。その方が生産性を上げるとして、睡眠時間をコントロールする必要が生じてきたからだ。そのニーズのもと、電気が発明されたことで、睡眠コントロールが実現できるようになり、社会が変わったとも言えるだろう。

それではあえて、そうした社会的要請をなくしてみたら、人間はどのくらい睡眠を必要とするのだろうか。

健康成人の必要睡眠時間を精密に測定した結果
健康成人の必要睡眠時間を精密に測定した結果、平均約 1 時間の自覚していない睡眠不足(潜在的睡眠不足)が存在することが明らかになった。
出典:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP) 

周囲からの刺激をシャットアウトした環境(隔離実験室)で、毎日最低12時間消灯して自由に眠らせるという実験を行なったところ、試験前の被験者の自宅での習慣的睡眠時間は平均7.37時間(7時間22分)で、試験開始直後は日頃の睡眠不足の反動で試験前に比べて睡眠時間が増加するものの、日ごとに睡眠時間は減少したという。9日目以降の睡眠時間は在宅での習慣的睡眠時間を上回る水準で定常化し、数学的に推定された必要睡眠時間は平均8.41時間(8時間25分)であり、習慣的睡眠時間との差は平均1時間と試算された。更に眠気だけでなく、生活習慣病やストレスに関わる内分泌機能にも改善がみられたというのだ。

電気が発明され、猛獣に脅かされることもなく、好きな時に好きなように眠れるようになったはずが、社会的要請によって「眠れる時間」にしばられ、電気に邪魔され、十分に眠れていないというのは少々皮肉にも思われる。そこをなんとか逆手に取って、睡眠をコントロールし、パフォーマンスをあげられるようにしたいもの。是非、当連載も参考にしてほしい。

文:伊藤真美  イラスト:なとみみわ

この記事の情報は公開時点のものです。
こちらの記事は、医師の監修のもと制作しております。