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伝説となった1日304件の飛び込み営業…。
やり抜いた先に見えた“営業しない”営業のススメ

【3】ズボンが破れて袴のように…1日304件の飛び込みから見えた営業の極意とは?

リクルートで1日304件飛び込み営業したという伝説も聞いています。これは本当なんですか?

大宮営業所で所長をしていたころの話ですが、本当です(笑)。
実はガテンが創刊の時期だったこともあり、営業として今一番やるべきは、売ることよりもお客さまにガテンを認知してもらうこと、営業には宣伝担当の役割があるということをメンバーに伝えたかったのです。しかも、立ち上げ当時は赤字事業で予算もない。
その状況で認知度を上げるためには、営業パーソンが地元のお店を数多く回ることが大切だということを知ってもらいたかった。

そこで、部下と2人朝8時に草加の駅に集まり、名刺とガテンのパンフレットをカバンに忍ばせ、お店に入って配りまくったのです。郵便配達は「郵便です」、新聞配達は「朝刊です」と一声かけるのであれば、我々は「飛び込みです」って一言かけようなんていいながら(笑)。
しかも、再訪するときのためにも、“店内にいた犬に吠えられた”といった訪問したお店の特徴をすべて大学ノートに書き出していきました。
ちなみに、もともと300件を目標にしていましたが、真夏の7月に実行したために最後のほうは意識がもうろうとなり、もし数え間違いしているとショックが大きいと、4件多めに回ったというのが304件の実態です。

タウンワーク社員×ガテンイメージ
写真はイメージです。タウンワーク社員×ガテン(リクルートホールディングス発行:一部の地域で配布)であり、本文中のガテン当時とは体裁は異なります。

すごい体験ですね。周囲の反応はどうでしたか?

この日は炎天下の中での飛び込みで、スーツのズボンが裂けて袴みたいになったほど過酷でした。スーツが汗で真っ白になり、飛び込んだ先の方に心配されるほど。
でも、300件を達成するためにはすぐ次に向かう必要があるため、とにかく時間がないのでと告げると“いいから座って水でも飲んでいきなさい”と引き留められ、向こうから何をしている人なのか聞いてくれる人も。
新しい本が出たので、求人広告を載せて採用に役立ててもらいたいということを説明すると、いいことしているねと褒めてくれる。最後は頑張ってねと手を振ってくれる人までいて、これはますます頑張らないといけないと思いました。

何とか300件を訪問して、夕方営業所に戻る前に、営業所に達成を告げる電話を入れたところ、電話の向こうで歓声が上がったのを覚えています。
ぼろぼろになったスーツの代わりに新しい服を調達して営業所に戻ると、中には泣いているメンバーも。もうみんな雰囲気が違うわけです。
やればできることを証明できたことで、その後、みんなの飛び込み件数が増えていったのです。

「サムライ営業 すぐ売れる技術より、売れ続ける極意」イメージ
写真は「サムライ営業 すぐ売れる技術より、売れ続ける極意」(出版 経済界)より

そんな経験の中での気づきはありましたか?

ここで面白いと思ったのは、普通は買ってもらおうと思って飛び込みするため、ある意味お客さんを追いかけるわけですが、その日は認知してもらうことが目的だったため、売り込みをしている暇はなかった。
しかし、パンフレットに挟んでいたFAX番号を書いたアンケート用紙が十数件返ってきたんです。すぐにフォローに行って10本程度受注することができました。

ここで悟ったのが、「お客さまは追いかけたら逃げる。逆に、営業しなかったら追いかけてくる」ということです。
本の中にも書きましたが、“究極の営業は営業しないことと心得るなり”というのは、この体験から来ています。本当の営業は向こうからくる。
そんな世界観を目指さないといけないのではないかと考えています。

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