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伝説となった1日304件の飛び込み営業…。
やり抜いた先に見えた“営業しない”営業のススメ

【4】営業は感動職である!営業を楽しく毎日続けるコツとは?

ご自身が考える人生の転機ってどんなことでしょうか。

1つはビジネスに対する姿勢や切磋琢磨する文化に触れたリクルートとの出会いですが、やはり大きかったのは会社の清算ですね。当時は41歳でしたが、そんな時には潮が引くように知り合いが遠ざかっていきました。それでも、応援して下さる方がいました。
リクルート時代は「どうにもならない時でも歯を食いしばって頑張るんだ!」と部下を鼓舞していましたが、そんな偉そうなことを言っていた自分が恥ずかしくなった。メンバーにもそれぞれ事情があってつらい思いをしていたんだなというのをしみじみと感じたのです。
でも、こんな時こそ自分も頑張らないといけないと思い直し、何とか歩みだすことができました。

ここでも、本物の人間関係は変わらないんだというのを痛感しました。
尊敬する方が「いい時にみんなが寄ってくるのは当たり前で、営業は、相手が左遷されたり降格したりした時にこそ声をかけるべきだ」とおっしゃっていたのを思い出します。
打算的な話ではなく、そうするとまわりまわって自分に返ってくるもので、そういう1つひとつのご縁を大事にしないといけないということを、改めて学んだ出来事です。

「営業LIVE」というイベントをされていますが、どんな課題を持っている方が参加されていらっしゃるんでしょうか。

営業LIVE®のパンフレット

写真は営業LIVE®のパンフレットより。2017年11月に第10回を迎えた。

例えば新人をターゲットにした営業LIVEでは、半年程度経過して現場に慣れてきたものの、全然売れない、お客様に話を聞いてもらえない、もっと言えばアポがとれないという状況の方に多く参加してもらいました。
売れる自分を思い描いていたものの、現実はそうなっていないことで自己否定し、自信を無くしています。上司からいろいろ言われても耳に入ってこず、理解はするものの腹落ち感がない状況にあるのです。

そんな心持の中で営業LIVEに参加すると、苦しみながらも一歩踏み出している同世代の人が次々と登壇してきます。自己否定されてトイレで泣いても立ち向かっている、そんな同世代の話を聞くと、自分だけじゃない、私と一緒だと共感する。
苦しい思いの中でも何でこんなに笑顔でいられるのか、なぜ困難でも立ち向かえるのか、私との違いは何だろうと、他の会社の同期から気づかされるわけです。
そうすると、普段上司が言っていることと結局一緒だということがだんだん分かってきます。

女性をメインにした営業LIVEもあると聞いています。

先日開催したのですが、女性の場合は見えない世界に対する不安が大きいようです。端的に言えば、営業の仕事をしていて、いずれは結婚も出産もしたいが、本当に営業を続けていけるのかというもの。
子供が熱を出した時はどうするんだろう、といったかなり具体的な話もありました。でも、まだ結婚もしていないし、話を聞いてみると彼氏もいない、なんて人も(笑)。

これは、会社の中に女性のロールモデルがいないということが大きな要因の1つです。
私がいたリクルートや楽天などは多くの女性が営業として活躍していますが、規模の小さな会社の場合多くはなかなか相談できる人もおらず、しかも上司は男性ばかり。
そこで女性向けの営業LIVEでは、営業として活躍している女性に登壇いただき、“独身時代に準備しておくべきこと”といった話も含めて女性ならではの視点で話をしてもらいました。

営業LIVE®のパンフレット

最後に、営業を楽しく毎日続けるための秘訣をアドバイスいただけますか。

営業は常に新しい方との出会いがあり、これは経理や人事の方にはない魅力の1つ。たくさん会ううちに、一生おつきあいするようなお客さまに出会うこともある。
その出会いを大切にするためにも、営業は感動職であるべきだと思っています。
厄介なお客さまに出会ったとしても、そのつらいことが成功へのプロセスと考えてみることが大切です。

また、幸せの基準を落とすべきだと思います。
営業をする中で、“受注”という高い基準に幸せを置いてしまうから毎日傷つくわけで、名刺をいただけてありがたい、声をかけてもらえてうれしいと感じられるようになって欲しいですね。受注することが基準だと営業の毎日を楽しむことは難しいと思います。これは人生も同じです。

ためになるお話、ありがとうございました。

文:酒井洋和  写真:編集部

この記事の情報は公開時点のものです。

この記事のインタビュイー・著書

大西芳明

湯浅商事株式会社(現ユアサ商事株式会社)に入社して1年半後に株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)へ転職し、その後、株式会社キャリアデザインセンター、株式会社パソナなどの役員を歴任。同時に東京大学の渉外部社外職員を務めたのちに、楽天株式会社の取締役を経て、2015年5月株式会社セールスヴィガーを設立。企業の営業組織に潜む課題を独自のSurveyを用い明確化し、解決へと導いている。

書籍

「サムライ営業 すぐ売れる技術より、売れ続ける極意」(出版 経済界)
営業における心がけやモチベーション維持などについて説明した基礎編と、事前準備から帰社後までにやるべきことまで詳細に語る実践編まで、営業という職種を極めるためのノウハウを余すところなく解説。ビジネスにおけるコミュニケーション能力の重要性を説きつつ、究極の営業とは何かを著者の経験を交えながら解説。
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