1. 営業サプリTOP
  2. キーパーソンインタビュー の記事一覧
  3. 激怒されるまでお客様に質問する?!営業が持つ“思い込み”の弊害と構造理解のススメ

激怒されるまでお客様に質問する?!
営業が持つ“思い込み”の弊害と構造理解のススメ

【4】営業とお客様から見えている世界のギャップに気づく!構造的営業の視点

普段から講演や研修などを手掛けられていますが、若手の営業パーソンやリーダー層が一番悩んでいることはどんなことですか。

営業の全体像が見えていない若手の方は、 “断られる”“目標のプレッシャー”“お客さんからの値下げ要求”“業者扱いされる”といったイメージを持っているものです。セリフや行動だけに注目してしまうと、“お客さんから心ない言葉を言われる”“本当のことを教えてくれない”と感じてしまうもの。でもそこにも「構造」があります。単純にあなたが嫌いだから業者扱いしているわけではなく、調達部門の人には原価を下げるという目標があり、相見積もりをどうしても取らないといけない、検討状況を途中で外部に漏らしてはいけないといった、「よくある」事情が存在するものです。その構造に気付いてうまくブロックを外していく質問によって活路が見出だせます。ただ、ほとんどの営業の方は、これ以上聞くと怒られるというラインをすごく手前に引いてしまい、質問すらしない方がほとんどです。

高橋浩一さん顔写真

自分で勝手に忖度してしまうと、どういう弊害があるのでしょうか。

これ以上聞くと気を悪くしてしまうのではと思い込んで聞くのを止めてしまうケースが多いのですが、実はいろいろ聞いても、相手のお役に立ちたいという気持ちで基本的なマナーさえ守っていれば、怒られることはほとんどありません。普段の研修でも、「これ以上聞いたら怒られる」ラインが相当手前にあることを、ロープレを通じて知ってもらうようにしています。こういった構造を理解し、質問力を駆使していく余地はたくさんあるのです。営業はとても知的な仕事で、つらい思いをする労働でなくするための工夫はいくらでもできます。しかも、お客様からすぐにフィードバックや反応がもらえるので、1度の商談で多くの気づきが得られるのです。その気づきを生かしていくことでビジネスパーソンとしての成長も早くなり、お客様から必要とされたり感謝されたりすると仕事はますます面白くなる。そういう喜びを是非知ってもらいたいですね。

高橋浩一さん顔写真

リーダー層についてはいかがですか。

多くの方が、成果の出させ方を十分理解していないように感じます。昔はたくさん行動すればそのうち成果が出るという感覚で会社が回っていましたが、昔の世界感と今は全く違います。同行してもすぐに受注できるわけでもなく、会社からは目標を提示され、残業は減らせ、ハラスメントはするな、と言われる中で成果を出していかないといけないという、大変な状況にあるわけです。でも前述した通り、メンバーの思い込みを外してあげる手伝いをしてあげることがリーダーの仕事の1つだと思っています。あれこれテクニックを教えなくても、思い込みを払拭してあげるだけで営業は劇的に変わるはずです。

文:酒井洋和 写真:山本中

この記事の情報は公開時点のものです。

この記事のインタビュイー・著書

高橋浩一

東京大学経済学部経済学科を卒業後、外資戦略系のコンサルティングファームにてコンサルタントとして勤務、25歳のときに取締役として株式会社エデュ・ファクトリー(現:アルー株式会社)を創業。2011年に営業を中心としたコンサルティングを手掛ける現在のTORiX株式会社を起業し、大手企業を中心に営業アセスメント研修や営業組織コンサルティング、営業OJT支援などのサービスを提供。これまで3万人以上の営業人材育成に携わり、日経課長塾”THE 営業力”や、東洋経済の営業リーダー塾でメイン講師を務める。

書籍

バカ売れ営業トーク1000(中経出版)
提案やプレゼンの質を高めることはもちろん、本当に力を入れるべきは“お客様とのやり取りの質”。著者が日々の実践の中から磨いてきた営業トークを、アポ獲得からクロージングまで、場面に応じて詳しくご紹介。今日から使える珠玉の営業トーク1000がぎっしり詰まった一冊。
Amazonで見る