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おもちゃ開発者・高橋晋平に聞く、大ヒットを生み出すこれからの営業力

【4】濃く売るために、特定の誰かを想定しよう

常見数字だけのマーケティングでは分からない情報が売り場には眠っているんですね。

高橋具体的な人物を目にできますからね。最近は、「具体的な誰かに向けてやる」ことを意識しています。
商品作りもそうですし、記事を書く時も、ある人を実際にイメージしたほうが、精度が高い気がするのです。

常見「20代の女性」ではなく、田中花子さんに届けるということですね。
ラジオに出始めた時に、先輩パーソナリティの方から「公共の電波を使うんだから、広くあまねく話して無駄にするな」と言われました。公共の電波だけれども、就活で落ち込んでしまっている安藤太郎君を慰めたり、諭すために話すんだと。

高橋氏

高橋今の時代に価値を作る意味では、絶対にその方法がいいと確信しています。
ぼくはよく「企画術」の本や記事を書いています。その情報を強く欲している人は、もしかしたらクリエイティブ職だけで、パイとしては狭いかもしれません。
でも、必要としている人が明確に見えて、どこで悩んでいるのかを想定したほうが価値のある本になる。その結果、感動した人が、SNSや周りに紹介してくれます。

1人の仕事人として、自分のやることを安易に薄めないことがこれからの仕事として大切だと思います。薄めていろんな人にひっかかる時代は終わってきているでしょうね。

常見氏

常見今は営業職の人だけではなく、お客さんも営業をしてくれる時代になりましたよね。
例えばお笑い芸人のマキタスポーツさんが「10分どん兵衛」というのを言い出しました。どん兵衛は3分より10分で食べたほうがおいしいと提案した。
それにメーカーの日清食品も乗っかって「正直申し上げますと、日清食品は10分どん兵衛という方法を知りませんでした」と公式の声明を出した。そのムーブメントが「レンチンどん兵衛」「どん二郎」など様々な食べ方を生みました。

高橋今は企画も営業もお客さんも、みんなクリエイターになる時代になったのでしょうね。
ぼくは「民芸スタジアム」というカードゲームを作っているのですが、どんどんお客さんが新しいルールを考えて遊んでくれるようになりました。

営業からもお客さんからも、「俺はこう売りたい」「こう使いたい」という意見がどんどん出てくるのは、すごくいい企画なんだと思います。
企画が一方的に営業トークを考え、営業の人に押し付ける時代はもう終わり、みんなが協力してものを売ったり、楽しんだりする時代になっているのでしょうね。

常見氏顔写真

まとめ

この対談記事は、長く読まれることになるだろう。なぜなら、「社内営業」に関してのノウハウはあまり知られていないからだ。
印象的だったのは、企画を通す際には、本気でやりたいものにすることということ。社内で通らない企画、営業先で受注に至らない企画は、申し訳ないが、本気でない企画、寒い企画なのだ。バイヤーさんは一緒に売っていく仲間なので、「貸し」を作ってはいけないという話も参考になった。
高橋晋平さんはアイデア勝負で商品を作っているわけではない。どのようにしたら売れるのかまで、踏み込んで考えている。一緒に売っていく仲間を作っていくことにこだわっているのだ。あなたは、ここまでやっているだろうか?

文:山本ぽてと 写真:山本中

この記事の情報は公開時点のものです。

この記事のインタビュイー・著書

高橋晋平

1979年生まれ。秋田県出身。大学時代は東北大学落語研究会に所属。2004年に株式会社バンダイに入社し、『∞プチプチ』『∞エダマメ』などの開発に携わる。現在、株式会社ウサギ代表取締役。各種企業と連携した商品開発や、組織内の企画チーム作りに携わる。ボードゲーム「民芸スタジアム」「グーチョキパーダラピン」「THE仮想通貨」などが発売中。

書籍

『一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)』(あさ出版)
数々のヒット商品を生み出してきた高橋晋平が実際にやっている、企画がどんどん思い浮かぶ3つのメモの技術を紹介。人がもつ「欲求」にフォーカスし、ヒット商品を生み出すためのアイデアづくりの仕組みを解説する超豪華な一冊。企画に困ったらこれを読もう!
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常見陽平