1. 営業サプリTOP
  2. 強い営業チームのつくり方 の記事一覧
  3. 手本を見せてもできないメンバーがいたら…差がつく「コツ」の伝え方

手本を見せてもできないメンバーがいたら…
差がつく「コツ」の伝え方

手本を見せてもできないメンバーがいたら…差がつく「コツ」の伝え方

メンバーと営業同行して手本を見せて育てようとしている営業リーダーは多いと思う。
確かに、「やって見せて、やらせてみる」は、育成の王道だ。
ただ、なかなかコツをつかめないメンバーもいる。また、そのコツをメンバーに伝えることが難しいと感じた経験もあるだろう。今回は、そんな場合の育成方法について考えていこう。

育成のコツ1:差がつく行動をかみ砕いて伝えよ!

あるTV番組で、鉄棒の逆上がりができない小学生への教え方のコツを説明していた。
スポーツ・インストラクターいわく、「そこで、グッとお尻を持ち上げろ!」と感覚論的に伝えたり、「先生がやるのをよく見てろ!」と、一連の逆上がり動作を何度も見せるだけでは、コツは伝わらない。
上手い伝え方は、地面を蹴ってお尻を高く上げる部分、その一番難しい動作を止めて見せ、
「ここまで足を伸ばして体を丸めているんだよ!」と、差がつく動作をピンポイントで教えることだと伝えていた。

営業場面での教え方も似ている。
営業活動は、お客様の発言、反応に合わせた一連のやり取りが中心だ。その一連のやり取り全体を手本として見せても、どこがコツだったのかが分かるメンバーは少ない。逆に、すぐに盗みどころが分かる人は限られた優秀なメンバーだと思った方がいい。営業リーダーの皆さんも、すぐに要領をつかむ人だったとすれば、自分と同じようにメンバーもコツをつかめるはずだと勘違いしていることが多い。

お勧めしたいのは、お客様先で見本を見せた商談後、
「先ほどのやりとりのポイントは何だったと思う?」「いつもの自分のやり方との違いは?」
と、すぐにメンバーに問いかけてみることだ。
期待どおりの答えが返ってこなかったら、先ほどの商談のやりとりを巻き戻し再生して、「ここで更に深堀する質問をしたから、ニーズが聞けたんだよ」とそのシーンを止めて、ポイントとなる行動をかみ砕いて伝えることだ。

育成のコツ2:鍛えるべき能力をかみ砕いて伝えよ!

逆上がりのインストラクターは、もう1つ秀逸な教え方をしていた。
下半身が回転せずに元に戻ってしまう小学生に、「今、腕には力が入っているよね」「今度はお腹に力を入れてみよう!」と、腹筋部分を指で押して指導していた。そうすると明らかにフォームが改善してくる。
このインストラクターの伝え方の素晴らしい点は、重要な動作をかみ砕いて伝えると共に、その動作を行うために鍛えるべき部分はココだ!と伝えていることだ。
腹筋が強くなると⇒お尻が上がるようになり⇒逆上がりができるという、成果につながる因果関係が分かるので、その小学生は一生懸命に腹筋を練習し始めていた。

三角形で示した図を見てほしい。能力と行動と成果の関係を示している。

能力と行動と成果の関係

筋肉の連動によって動作の完成度が高まるように、仕事という行動もいろんな能力の相互作用によってその精度が高まってくる。
図の青字部分が行動に影響を与える能力で、太字にしているところが後天的にも鍛えることができる部分だ。

例えば、「深堀する質問」という営業行動ができるようになるには、

  • 商品説明の前に、お客様の事情を知ろうとする“取組姿勢(スタンス)”が大事で、
  • 同業事例などの“知識”の習得が必要で、
  • その事例をもとに仮説を立てて質問する“スキル”が求められる

というように、能力を分解する観点をメンバーと共有し、必要となる能力をかみ砕いて伝えて欲しい。
そうすることで、努力すべきことが明確になり、メンバーの納得感が高くなるはずだ。
是非、育成方法のバリエーションを増やして、名コーチを目指して欲しい!

メンバーへの働き掛け方が続いたので、次回はテーマを転換して、「営業チームのベクトルの合わせ方」についてお伝えしたい。

イラスト:室木おすし

この記事の情報は公開時点のものです。

写真:

亀田コーチ(亀田啓一郎)

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。