経験学習モデルを活用したOJT

「経験学習モデル」を活用して営業のOJT効果を最大化する方法

これまで個々の営業メンバーに働きかけ、育成していく手法について述べてきた。
今回は、各メンバーの営業や接客活動での気づきをチームで共有しながら、より良い手法へと改善していくシクミ作りについてお伝えしたい。

「経験学習モデル」を活用して営業のOJT効果を最大化する方法

チームで“気づき”を集めるには、テーマを絞り込め!

「知恵出しボード」と書かれている下の図を見て欲しい。これは競合サービスB社に対して後発で参入して、その市場を獲得していこうとしている営業チームの例だ。
自社のサービスは機能的には勝るが、費用面や導入実績では競合B社には劣ってしまう。
そこで、チームメンバーの知恵や経験を集めて、効果的な営業手法を編み出そうとしている取り組みが、この「知恵出しボード」だ。

ただし、漠然と「良いやり方を思いついたら共有しよう」と言ってもなかなか出てこないものだ。この「知恵出しボード」の1つめのポイントは、“今月のテーマ”を決めている点だ。
つまり、リーダーが営業のボトルネックになっている部分を絞り込み、「この部分の知恵を出して欲しい!」と呼びかけているのだ。

知恵を出すには、図の左側の列に書いてあるような、「良かった!上手くいった!」もしくは、「これは困った!」というような“気づき”がないと知恵は生まれない。
“気づき”をメンバーに促し集めるには、焦点を合わせるテーマを決めることが肝心なのだ。
この会社では「気づきメモ」と呼び、月ごとにテーマを決めて、図の左側の列のようなメモを営業メンバーが書いて貼りだしている。そして、その内容を今後の知恵に変えていく会議を行っている。

知恵出しボード

フレームワークで整理して気づきを学びに変えよ!

この「知恵出しボード」の2つめのポイントは、思考プロセスを可視化していることだ。
「良かった!上手くいった!」もしくは、「これは困った!」という経験に基づく “気づきメモ”を起点に、学びや今後の対策につなげていくためのフレームワークが示されて、その枠組みに沿って議論ができるシクミが出来上がっているのだ。

特に、すぐに対策に議論を進めるのではなく、「要因・原因」をしっかりと掘り下げ、気づきの本質は何かを見極める思考プロセスが入っている。だからこそ、学びが生まれ精度の高い対策を考えることができるのだ。

このようにチームで共通のフレームワークや共通の言語を使ってコミュニケーションをすることで、議論の観点がズレなくなり短時間で質の高い議論ができる。その結果、相乗効果が生まれやすくなるのだ。

営業リーダーが、すべての正解を持っていることはないと思う。どちらかと言えば、正解が分からない方が多いはずだ。そんな時は、メンバーを巻き込み知恵を出していく方が近道だ。その時、リーダーが取り組むべきことは、今月の知恵出しテーマを設定したり、議論のフレームワークを統一することなど、知恵が出やすいシクミを作ることだ。

リーダーの工夫によって、チームメンバーは試行錯誤しながらも主体的に考え始め、チームの一体感が生まれ、問題解決のスピードも格段に速くなるはずだ。ぜひ、試してみて欲しい。

イラスト:室木おすし

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この連載の著者

亀田コーチ(亀田 啓一郎)

亀田コーチ 顔写真

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。

亀田啓一郎

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