営業戦術のPDCAサイクル

【効果が出る】営業戦術のPDCAサイクルの回し方のポイントとは?

営業戦略編では「営業戦略」のPDCAの回し方において、ターゲッティングの精度を上げていく検証(Check)部分が重要であることを述べた。一方、「営業戦術」のPDCAとは、営業戦略をチームメンバーが遂行できるように、その効果的な売り方の精度を高めていく活動だ。
今回は、その要点について解説する。

【効果が出る】営業戦術のPDCAサイクルの回し方のポイントとは?

営業戦術の計画(Plan)のポイント

営業戦術の計画(Plan)の第1のポイントは、以下の(1)(2)の観点を踏まえて営業メンバーと「訪問のゴール」を設定することだ。
(1):お客様の購買心理(どんな考えや気持ちになって欲しいか)
(2):お客様から引き出したい発言や行動

例えば、競合サービスのリプレイス営業をする場合の初回訪問のゴールとして、
(1):お客様が「競合サービスとの違いを実感したい」と思って、
(2):デモンストレーションの実施に合意する
と設定する感じだ。

営業戦術の計画(Plan)の第2のポイントは、お客様が示すネガティブ反応を想定し、その対処策を営業メンバーが実践イメージをもてるまですり合わせることだ。
例えば、「デモを行うとしても準備が大変そうだ」というお客様の反応が予想できるとしたら、それを払拭する説明の仕方をシミュレーションしておくことなどが挙げられる。

この2点を訪問前にメンバーとやりとりをしておく面談を、フィードフォワード面談という。まさに、営業戦術のPlanをメンバーとすり合わせる面談だ。これをしっかりと行うことで営業の精度も上がり、訪問後の検証(Check)・改善(Act)も活きてくるのだ。

営業戦術の検証(Check)のポイント

では、営業戦術の検証(Check)とは、どうすることか。
それは、想定していたお客様の反応とのズレを訪問後に振り返ることだ。
つまり、計画(Plan)の時に設定したゴール、つまり(1)お客様の購買心理と(2)お客様から引き出したい発言や行動が、実際にはどうだったのか?を、事実ベースで確認することだ。

例えば、顧客訪問してきたメンバーに、「どうだった?」と声をかけると、
「なんとか、デモはできそうです」という返答だったとしよう。でもこれは、事実ベースの確認ではない。
「ちょっと微妙な感じだけど、実際にはお客様はどう言われたの?」と、お客様の反応を意訳せずにメンバーから聞くことがポイントだ。
「“デモをして頂くことは、構いませんよ”という言い方でした」となれば、お客様はあまり積極的な姿勢ではないことがわかる。この事実確認を正確にすることで、リカバリー策の精度も高くなり、どうして想定とズレたのか、その原因をメンバーと考えることができるのだ。

営業戦術の改善(Act)のポイント

PDCAのActの部分を、営業の次の一手を練ることだと思いがちだが、そうではない。
例示のケースのように、デモの快諾を想定していたが、必ずしも乗り気ではない反応だった場合、その善後策としてどうするべきか?を考えることは、もちろん大事だ。
ポイントは、それだけで終わるのではなく、今後、同様のケースの時に、どうすればより上手くいくのかをメンバーとすり合わせることが、“Act”すなわち改善のポイントだ。
訪問後にこのようなやりとりをする面談を、フィードバック面談という。

最後に、“改善”というミュアンスを強調すると、思わしくない結果ばかりに着目してしまいがちだ。それだけだとメンバーが萎縮したり、自信をなくしてしまう可能性もある。
うまくいったこと、狙い通りの結果になったことに着目して、成功要因についてメンバーとやりとりをして欲しい。メンバーのテンションは必ず上がる!
往々にして、結果が良かった時は、振り返らないことが多いのだ。メンバーに成功パターン、勝ちパターンを意識づける良い機会なので、ぜひ、心がけて欲しい。

イラスト:室木おすし

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この連載の著者

亀田コーチ(亀田 啓一郎)

亀田コーチ 顔写真

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。

亀田啓一郎

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